半額
自分を安売りするなと言われるが、そんなことはどうでもいい。
今回はご飯の話だ。
帰り道、いつも夕飯の材料を買いに、スーパーに行く。
17時から18時ごろにお惣菜のコーナーを通ると、ちょうど10%引きのシールが貼られているところだ。やりくり上手の主婦の方が、目ざとく見つけて、貼った側から取って行く。すごいスピードで。そこには、家族の食卓を支えてみせるという気概がある。
19時になると、30%割引のシールがちらほら出てくる。店内で作っている煮物とかコロッケとかお弁当とか、大半のおかずが30%引きになる。
そうでないものは、夕方に作ったもので、これは明日までここに並ぶのだろう。
お寿司は、意外と頑張るが、それでも20時には半額だ。
ただし半額になる前に全部売れることも多い。お寿司は人気者なのだ。
本来なら、定価で売り買いするのが健全な姿だが、食品も廃棄するよりましということかもしれない。(でも、売り切れるくらいでちょうどいいのに、と私は思う)
だが、作ってしまったら、安売りしなければ売れないのだから仕方ない。
30%割引のシールを顔の上から貼って歩けば、お金が安ければ、内容なんかなんだっていいと思っている人が買ってくれる。
そうすれば、私だって、半額のお寿司が食べられるのだ。